モニュメントバレー

      2016/07/15


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モニュメントバレーは国立公園ではなく、モニュメントバレー・ナバホ・トライバル・パークという名称で、ネイティブアメリカンのナバホ族の管轄となっています。

アリゾナ州とユタ州の境に位置し、独特な地形をした岩山の雄大な景色は映像や写真で誰もが一度とは目にしたことがあるでしよう。

モニュメントバレーはグランドキャニオンから東へおよそ300キロ、車で3時間半程の所にあります。
日本から訪れる場合、グランドキャニオンへのオプショナルツアーはよく見かけますが、日数に余裕があればモニュメントバレーへも足を運んでみるとよいかもしれません。

私はモニュメントバレーに東側から入りました。

Four corners(フォーコーナーズ)と呼ばれる、コロラド、ニューメキシコ、ユタ、アリゾナの四つの州が接する地域があります。四つの州が接するのは全米でもこの一か所だけ。
ここを訪れてからモニュメントバレーへとドライブしましたが、フォーコーナーズからモニュメントバレーへ向かう間に見た景色はとても記憶に残るものになりました。

両側になにもない160号線の一本道を東から西に進んでいると、道の遠くの平たい荒野に見たこともない形をした岩山が“ぼっこん”と突き出ているのが見えます。さらに走って近づいて見えて来た姿に、あっと驚きました。

それは、まるで宇宙の惑星に降りた巨大な“難破船”のように見えました。

このような荒野の一本道で、走る車は私たちだけ。
久しぶりに他の車を見たと思ったら、しばらく他の車を見ません。

当時はカーナビもスマホもなく、たまにぽつんと見える標識と地図を照らし合わせながら進みました。

しばらく走ると、また巨大な突起物が見えます。
「今度はどんな形?」と思いながら走っていると、見えてきたのは大きな台形の山。

さらに近づいていくと山の側面の崖が、まるで巨大な“七人の騎士”に見えます。
長い髪をなびかせて、遠くを見据え、土地を守っているようにも見えます。
風化によるものなのか、地層が割れてできたものかはわかりませんが、自然の造形の美しさに驚きました。

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↑ 七人の騎士に見える⁈

160号線を過ぎ、163号線を曲がるとカイエンタの町。
ここはモニュメントバレーに一番近い町なので
ガソリンをしっかり補給をします。

20分ほど走らせていくと、茶褐色の荒野に
だんだん自然が作るモニュメントの形が見えてきました。

それはなんともいえない、不思議な形の岩々でした。
何度も写真で見たのに実際に自分の目で見てみると、あっ!と驚くとともに、「これは夢じゃないんだよね。ほんとに実在して、自分の目で見てるんだよね…」という感慨がありました。

そうです。
古い西部劇の映画、「駅馬車」や「フォレスト・ガンプ」や、数々のコマーシャルでも舞台となったなじみのある風景が目の前に広がっていました。

不思議な形をした岩山は「ビュート」や「メサ」と呼ばれ、浸食や風化によって形作られたのだと知りました。
整った円錐形の土台の上に、四角いもの、丸いもの、とんがったもの、ミトン手袋、三人の修道女・・・などさまざまな形の巨大な岩が上に“どんっ”とついていて、不思議としかいいようがありません。

料金所を通り過ぎ、モニュメントの中にあるThe View Hotelにチェックイン。
ここは全室、モニュメントに面しており、バルコニーの目の前にそれらが点在する、すばらしい景色が広がっていました。

早速ロビー横のバルコニーに出て、目の前の景色にただただ興奮しつつ一通り写真を撮り終えると、椅子に座ってずっと眺めていました。

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ホテルは3階建てですが、バルコニーから外へすぐ出られるように1階の部屋を予約しました。

夕食はホテル内のレストランでとりました。
アメリカンフードやタコスなどのメキシカンの他に、インディアンブレッドなど、ネイティブアメリカンのメニューがありました。
(モニュメントバレーに入ると近くにスーパーマーケットはないので、スナックや飲み物などは、あらかじめ買っておいたほうがいいかもしれません)

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夜中に目を覚ましてバルコニーに出た時はとても不思議な感覚でした。

真っ暗な闇の目の前、すぐ手が伸びそうなところにメサがあるんです。
四角いメサが、しっぽのように細長いビュートをつけて、ただそこに、“ある”だけなんですが、巨大な生き物が、息をしているように感じました。

それは、一瞬「怖い…」と思えるほど厳かで、静謐で、何も寄せ付けない感じがしました。

翌朝、姪っ子がバタバタを着替えをしている音で目覚めました。
時間を聞くと6時半!
ここまできて朝日を逃すわけにはいかないと、パッと飛び起きすぐに着替えてバルコニーへ。

このホテルは高台に建っているので、ちょうど目の高さに巨大な台形のメサがあります。
そのメサの向こうが少しだけ明るくなりかけています。
すでにたくさんの人が丘の先端へなるべく近づくようにして立っています。

カメラの脚立をセットしてその瞬間を待っている人あり、
ヨーロッパの言葉を話しながら仲良くくっついているカップルあり、
中国の言葉も聞こえます。

私たちも夫が入れてくれたコーヒーを片手に寒さをしのぎながら立っていました。

朝日はずっと離れた遠くの山から上がりました。
そのため、山から上がった時にはあたりはすっかり明るくなっており、かすんでいたため、「朝日を見た」という感じではありませんでした。

それでも、「朝日を見る」という行動は起こしたし、周りの人と一緒に見た景色や、その時の情景は今でもはっきりと思い出すことができます。

その後、早々と朝食を済ませチェックアウト。
その日はメサやビュートの間の27キロの道「バレードライブ」に行くことになっていました。
この土埃舞うオフロードの道を行くために四輪駆動を借りたのです。

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道を走ってみると、本当にビュートやメサを間近に見ることができます。
ここはジョン・フォード監督が映画の撮影用に切り開いた道だそうです。
それぞれのモニュメントは本当にすばらしく、自然の造形に、ただ見とれるばかりでした。

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特に印象に残っているのは、「ジョン・フォードポイント」と呼ばれる所で、一番手前に小高い丘の突端があり、そこに立つと遠景に色々な形のビュートが一緒の写真に収められる場所となっています。

この先端に、ネイティブアメリカンの装束をした男性が馬に乗って立っている写真は目にしたことがありますが、まさに同じ景色で感動しました。

姪っ子が「あの先端に行ってくるから写真を撮って!」と走っていき、ジャンプして空中高く浮かんでいる写真を何枚も撮りました。
その写真は生き生きとして、若さ一杯でとてもステキな写真になりました。

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