ミリタリーバッグをワッペンで装飾!プロっぽく作る方法を解説
2017/10/05
ミリタリー系ファッションは流行に左右されず、色々なカジュアルスタイルにもコーディネートしやすい優れもののファッションですよね。
今日は、ミリタリーファッションのアイテムの一つ、「バッグ」についてご紹介をします。
実際に軍用に使われているバッグにミリタリーワッペン(パッチ)を貼って、クールで本格派のミリタリーバッグに仕上げます。
防水加工も施されているので、タウンファッションだけでなく、サバゲー(サバイバルゲーム)やバイク関連の趣味との相性もバツグン!
アメリカ在住20年の私ヤスミンがアメリカ軍の基礎や意味を解説しながら米軍在籍者に監修してもらったパッチの合わせ方のコツも公開しています。
あなただけのオリジナル&本格派のミリタリーアイテムに加えてみてはいかがでしょう。^ ^
もくじ
今回ご紹介するミリタリーバッグ
今回ご紹介するバッグは、米軍のフライトバッグです。
サイズはおよそ、タテ52cm、ヨコ55cm、マチ26cm。
一人掛けのソファを占領するくらいかなり大きく、10日間ほどの旅行でも行けそうな感じです。
ミリタリーバッグの作り方
では、さっそく必要なものを準備してみましょう。
バッグとパッチの準備
今回写真で紹介したのは「フライトバッグ(クルーバッグ)」と呼ばれる手提げ型のバッグですが、お手持ちのミリタリーバッグや、ミリタリーショップで手に入れたお好みのバッグがあればをそちらを使われたらよいと思います。
また、パッチ(ワッペン)についてもお手持ちのパッチがあればそちらを生かして使いましょう。
(その場合のバッグとパッチの選択や配置方法は後の章でふれます)
今回はひとまず、このフライトバッグを基準に作り方をご説明します。
パッチの配置の方法
このフライトバッグでは、表は6つのパッチ(ワッペン)がついており、
裏には4つのパッチと、マチの左右に1つずつパッチがついています。
パッチの配置の基準は、ズバリ「色と形のバランス」です。
まず、バッグのメインとなる表面を広げてみてパッチの色や形、大きさのバランスをみながら配置を決めます。
このバッグでは表面が広いため最大で6つのパッチを配していますが、数としては多くても4つか5つまでくらいがあまり派手すぎずちょうどよいバランスなのではないかと思います。
パッチは段差のない平面に置きましょう。ヒモの部分や縫い目部分にかぶらないほうが強度とデザインの面で優れます。
また、手持ちのパッチが少ない場合は、表部分だけ充実させて裏面は少なくする(またはつけない)という配置でもよいでしょう。
左右のマチ部分にはこのようなパッチがつけてあります。
左の部分「NAVY」は米軍のブランチ(軍種)を表すもので、ファスナーのやや下に配置しています。
右の部分は個人名(苗字)がアルファベットで刺繍されたタグで、下部の近い方に配置しています。
(この配置には特に決まりはありません)
すべてのパッチを配置し終わったら、動かないように仮留めしまする。
仮で貼りつけるには、「ピンやまち針でとめる」「「ガムテープでとめる」などの方法がありますが、なるべくバッグの表面の布を傷つけたり汚したりしない方法で留めておいてください。
パッチをバッグに取り付ける方法
パッチをバッグに配置したら、いよいよ縫い付ける作業が待っています。
「面倒臭そう」と思われるかもしれませんので、まずはパッチをつけるにはどんな方法があるかみてみましょう。
- 自分で縫う
自分で縫うか、または家族などに頼んでミシン縫いしてもらいます。
- 「ベルクロ」(マジックテープ)をバッグとパッチの両面にアイロンでつける
制服などの装備ではベロクロが使われているものもありますが、今回のようなバッグを作る場合にははがれやすかったり、マジックテープの部分に厚みがありデザイン的にもイマイチな感じです。
- アイロン接着シートでアイロン接着、または布用接着剤で貼り付ける
アイロン接着シートは手軽にできる反面、「アップリケが洗濯ですぐにはがれ始める」ということを聞いたりします。アップリケでもはがれやすいのですから、パッチのような厚みのあるものならなお接着の維持には疑問があります。また、米軍のこのような大きなバッグは防水加工しているものが多いので、今回に関してはあまりおすすめしません。
- プロにお願いして縫製してもらう
・・・という方法がありますが、きちんとしたバッグに仕上げるには1または4が現実的かな、という気がします。
「4.プロにお願いする」方法については、「服のお直しやさん」のような店を探すか、クリーニング屋さんに聞くとよいと思います。ミリタリーショップで縫製を請け負ってくれるところもあるようなので、予算と合わせてお選選びください。
以上でミリタリーバッグの完成です!
プロにお願いすると意外とカンタンにできますね。
パッチをつけた瞬間から、世界に一つだけのオリジナルバッグになります。楽しんでお使いください。^^
それでは、次にミリタリーのルールに則ってよりプロっぽく仕上げるための押さえるべきルールを見ていきましょう。
これだけは押さえようパッチのルール
これまではミリタリーバッグの制作について説明してきたのですが、以下にはバッグの制作に必要な材料(バッグとパッチ)の調達や選択の注意点などをご説明します。
ミリタリーのルールに則ってよりプロっぽい仕上がりにするためには、こちらのほうが大事な部分です。
さっそく見ていきましよう。
米軍の四軍種
アメリカ軍の四軍種は以下の通りです。
- ARMY(アーミー、陸軍)
- NAVY(ネイビー、海軍)
- AIR FORCE(エアフォース、空軍)
- MARINE CORPS(マリンコー、海兵隊)
各軍は独立し別れて行動していますが、大まかに分かれてユニットが組まれる場合(設備を共有したり、ミッション遂行など)には「陸軍と空軍」「海軍と海兵隊」の組み合わせになります。
バッグの種類
パッチをつけやすい(表面がフラットでやや広い)ミリタリーバッグには、今回ご紹介した「フライトバッグ」の他にも色々なバッグがあります。
- パラシュートバッグ
- カーゴバッグ
- クルーバッグ
- ダッフルバッグ
- ヘルメットバッグ
- ギアショルダーバッグ
- メカニックバッグ
・・・など。
バッグの色柄の選択については、次のような点に注意してください。
- 無地
一般にオリーブグリーン系とタン系(ベージュ色)に分けられます。各軍種に共通して使われることも多いので今回のようなオリジナルバッグを作る場合には、カモフラージュ柄より無地がおすすめです。 - ケミ(カモフラージュ・迷彩柄)
迷彩柄には大変多くの種類があり、国・軍種・時代・季節時期・活動する地域によって異なり、また常に改良されて柄が変わっています。
そのため、「オーストラリア軍の迷彩バッグに米海軍と英空軍のパッチをつけた」などの大きな誤りを防ぐためには、詳しく分かる方や、あくまでファッションとして割り切れる以外の方には若干難しように思います。
また、実務やデザインの面からみても、一般的に迷彩柄につけるパッチは、国旗や職種、階級、名前などシンプルなパッチなどに限られます。
パッチの種類
パッチの種類では、米軍では大まかに次のような区分があります。
- 軍服や装備に使われるオフィシャルなもの
国、階級、職種、姓名を表す。シンプルで色が少ない。 - ユニットが制作・公認のオフィシャルなもの
ユニットパッチなどと呼ばれるもので、常設のユニット(隊)や一時的なミッション(作戦)のためユニットが制作したもの。正式な制服や装備としては使わないがシンボル(チームワーク)やメモリアル(記念)、スーベニア(土産品)などの意味で製作されることが多い。あくまで個人やユニット内などプライベートで楽しんだり、使用するもの。
形や色が様々でバラエティに富む。 - その他、非公認
左から、海軍、空軍、ミッション(作戦)時。右下は大統領専用。
パッチ選択方法と注意点
パッチ選択での注意点とおすすめの選択方法をまとめてみました。
軍種を絞るとうまくいく
- パッチに描かれている文字で軍種を読み取る
- 一つのバッグにつけるパッチの軍種は1つか2つに絞ると無難
- どうしても二つの軍種にもう一つの種類のパッチを足す場合には、特定ミッションや一時的なミッション(例えば、「〇〇作戦」にチームとして集められたなど)のパッチを1つくらい加えてもよい
2つにした場合には、一つメインとなる軍のパッチを多くして、サブとなる軍を少しだけ足す。
その場合には、「陸軍と空軍」または「海軍と海兵隊」の組み合わせのほうがリアル。
バラバラにするとリアリティ感が薄れます。軍種はなるべく一つにするのが無難です。
迷ったら“キャリア”で考えよう!
色々なパッチがあって、どれもこれも加えたい…と思ったときに絞るよい方法は、一人の人間の“キャリア(経歴)”としてストーリー仕立てで考えるとリアリティからはずれることなくうまくいきます。例えばこのような感じです。
「海軍に所属。最初は数年おきに船が変わったため船(USS)のパッチが多く、フライトオペレーションに携わってからは空母(USS)のパッチが多い。作戦時に志願した時に(NATOのミッション・オペレーション)のパッチをもらう。ミッション時に仲良くなった海兵隊員から彼の所属するユニットのパッチを記念にもらった・・・」
さらにまとまるおすすめの方法
パッチが多彩になった場合には、こちらの方法を取り入れせて頂くとおさまりがよくなります。
それは、「国旗か軍種か姓名などをパッチに加える」ということです。
例えば、このバッグを作るときに第1章で出した写真で、マチ部分に「NAVY」と姓名の文字をパッチをつけています。
そうするとテーマ(どの軍種のパッチがメインか)がはっきりわかり、全体にまとまった本格的な印象を加えることができます。
まとめ
ミリタリーバッグの作り方を振り返って、要点をまとめてみました。
- パッチの軍種はなるべく一つに絞る。
(パッチに描かれた文字を読む) - バッグにパッチをつける場合、迷彩柄より無地の方が無難。
- バッグへの並べ方は好みで良いが、ポイントに国旗や軍種などシンプルなワッペンを加えるとバランスがよい。
- バッグにパッチを貼り付けるには、なるべくミシン縫いするかプロに依頼すると仕上がりがきれい。
- 米軍では実戦や全体の訓練などで装備するバッグには国旗、軍種、職種、階級、部隊、名前などがメインで装飾的なワッペンはつけていません。個人の通勤や移動などでは使用可です。
ミリタリーパッチはとても多彩で、一つひとつがポップアートのように面白いデザインです。
一方で、シンプルで実務的なマークのパッチには普遍性や汎用性があり、機能美にも優れていると思います。
私自身もeBayでいくつかパッチを落札したり、近くにミリタリーショップがあったり、軍人の友人がいたことなどが今回この記事を書くきっかけになりました。
また、ミリタリーパッチはシンプルなシャツやジャケットに加えるとそれだけでインパクトやオリジナリティのあるファッションに変えることができます。
よく日本の芸能人の方がミリタリーファッションをコスチュームに取り入れていますが、“既製品にない特別感”・・・を加えられるからだと思います。
(ちなみに、セカイノオワリのジャケットは陸軍のサージェントの制服だし、ジャニーズ系は海軍の二等軍曹のシャツを好んでコンサート用の服にアレンジしています・・・笑)
ミリタリーファッションに興味がある方の参考になれば幸いです。^ ^